映画「ベイビードライバー」ネタバレ - 合言葉は”BANANA”

運転すると性格が変わる人、いますよね。

まさにそんな1人の男に焦点を当てた120分MV映画がコチラ!
 
ベイビー・ドライバー(2017)
監督:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート/ケヴィン・スペイシー/リリー・ジェームズ/ジョン・ハム 他
 

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★★★★☆(3.8)
 
仕事終わりの華金、新宿バルト9にて鑑賞。写真撮影コーナーまで設けられてましたよ。
ファーストデイだったこともあって、公開から2週間経ってもほぼ満席!ここまでとは流石。
相変わらずの悪役顔がハマるケヴィン・スペイシーにワクワクしながらいざ。
 
 
ん~~~~~良さ!!良いけれど突っ込みどころもある!!しかし音と音楽が最高できからおっけー☆といった雰囲気にまとまっていることは否めないし、そこすらも良さともいえる。とりあえずこれは映画館で観るべき作品であることに間違いはないので、公開中に駆け込みましょう!(上映館少ないけれど)
 
 

あらすじ ~"ベイビー"が"大人"になる瞬間~

ベイビー(アンセル・エルゴート)という名の天才ドライバーは過去の事故の後遺症から常に音楽とイヤホンを手放さずに生活していた。またドク(ケヴィン・スペイシー)からの依頼電話がかかってくると"逃がし屋"をして借金の返済をしていた。毎度異なるメンバーと強盗を重ねながら、街のダイナーで出会ったデボラ(リリー・ジェームズ)と恋に落ちる。あと1回で借金完済だから足を洗い、デボラとまっすぐ生きてゆくことを願うが・・・
 
 

ネタバレこみ感想と考察と独り言

この映画、アクションでありカーチェイスものであるのは間違いないけれどそれ以上にひたすら音楽が鳴り続ける音楽映画!!なんなら全編ベイビーのミュージック・ビデオのような。普段は寡黙で口数も少ないが黙々と仕事をこなす。
とにかく冒頭6分のスーパーカーチェイスシーンが最高にかっこいい!!!!あそこを観なくてはこの映画は語れない。なのでいつも上映時間ギリギリに駆け込んでいる人、仕事次第の人も早く切り上げて今作ばかりは予告着席必須ですよ~!
 
今までワイルドスピードやらトランスポーターやらと車映画はやってきたし、そんなカーチェイスで真新しいセンスなんて、と思っていた気持ちをこの冒頭でぶち破られるんですね。ただ早い!ドリフトが最高!だけでなく、サイドブレーキやアクセル、ブレーキの力の加減が上手すぎて助手席で「おいおいおいおい」と言うバディ(ジョン・ハム)と同じ気持ちになる。
 
ベイビーは常に音楽を聴いていて、幼いころに両親の運転する車で事故に遭い、その後遺症で音楽でも流していないと耳鳴りがひどいというわけです。そして昔は車泥棒をしていて、ちょうどドクのヤマを邪魔して計画をフイにしたために、その借金返済と称してドクに雇われていたという前書き。
2つ目のバッツ(ジェイミー・フォックス)達との作戦会議のとき、ベイビーは話を聞いてないぞと言われて、ドクが言った通り復唱したあとの!ドクの「That's my baby(さすがだ)」がセクシーすぎるんだよケヴィンの兄さん…今作も最高です…
 
借金完済したしサヨナラ!デボラと幸せに暮らすぜ!と真っ当な道を歩み始めようとしたところに、ドクが再び現れる。一度踏み入れた裏の道はなかなか足洗えないよね。始めは「真面目にコツコツ働くなんてバカらしい、私となら一晩で大金だ」「毎度メンバーを変えているがドライバーはいつもお前だ。ベイビーは私の幸運のお守りなんだ」と言ったかと思うと、ノーと言うベイビーに投げかけるのは「一緒にやらないなら骨折したりお前の恋人はしんだりするだろうな」さすが畜生。もう逃げられない。
 
最後の強盗は1件目のバディ&ダーリン(エイザ・ゴンザレス)と2件目のバッツと一緒だが、全く協調性を重んじないバッツに雲行きは怪しい。案の定、ドクがセッティングした武器の取引相手を突然の撃破で皆殺し!!アジトに戻るとドク「バナナ」突然のバナナ発言にいつの間にミニオンの上映館になった??と思いきや「取引終了の合言葉の"バナナ"を今日は聞いていない。誰が死んだ?」と言うケヴィン兄さんのかっこよいこと!!
 
いざ決行の日。そういえばベイビー、悪事に手を染めていることを案ずる雰囲気はないけれど人殺しに関してはひどく敏感で。目の前で両親を亡くした経験からか、目の前で誰かが死んだり撃たれたりすると固まって動けなくなるという。
まさに最後の案件でバッツが警備員を撃つものだから動けなくなり、急発進させバッツは死んでしまい、逃げようとするも警察に追いつかれるギリギリで徒歩での逃走劇になり、ダーリンも死んでしまい、ブッチ切れバディに追い回される。デボラも巻き込んで逃げるわ、ipod壊されて完全に覚醒モードで撃ちまくり。爆音ミュージックのラストバトルはなかなかに熱い。 
なのに最後の法廷のシーンはなぁ…個人的にはいらないかなぁ…。一緒に闘争してる時点である種デボラは同罪だし、車を盗まれたおばさまとラスト襲撃の目撃者のおばちゃんはアレだけでそんな法廷で発言したりするか?というところがどうしても気になる。急にベイビーをいいやつだし周りもそれは分かってたんだぜ!とされてもモヤモヤする。犯罪に加担していたのは本人も意志もあるんだから。
 
全編を通して音楽と音でのゴリ押し。(いい意味)ライト監督、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督とツイッターのDMで映画内で使う音楽について被ってないか確認したらしい(笑)かわいい(笑)確かに音楽のセンス似ているだろうなというのは分かる!「カーチェイス版ララランド」とも言われているけれど、この作品と並べるのにララランドを出す必要はないかなと正直思う。音楽はもちろんだけれど、音の使い方が上手い。セリフはもちろんのこと、街の喧騒までもが1つの音楽のように乗っかっていくグルーヴが最高!
なんだけれども、その分ちょっと脚本が弱い気もする。そもそも車事故がトラウマで大すきな母を亡くしたのに、何でわざわざ車の仕事を選んだのか。むしろその記憶で車に囚われてしまっているのか。後半にも目玉カーチェイスシーン欲しかった。
そしてただの常連さんとだけ知って出会ったベイビーに対してデボラが優しすぎるというか都合が良すぎるというか。あんなにすっぽかされて連絡もよこさない上に、やっと会いに来たと思ったらヤバそうなやつ連れてくるわ一緒に逃げようって命の危険に晒され、彼氏はバンバン撃つは殺すはをしているのに、非難するでも拒否するでも逃げるでもなく最後まで寄り添っているなんて少し出来すぎではないですかねぇ。。
とはいえ「あなた"BABY"って言うの!あなたのための歌が何百曲とあるわ!永遠にあなたの曲でドライブできる!」というところ、可愛すぎて大好きです。