映画「ウォールフラワー」 - 17歳になったあの日の気持ちを覚えていますか

"17歳になったばかりの気持ちなんて大抵の大人は忘れてしまっている。" 劇中のセリフで久しぶりにハッとさせられた、そんな想いを蘇らせてくれたのがコチラ。
 
 
ウォールフラワー(2012)
 

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監督:ステファン・チボスキー
出演:ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー
 
★★★☆☆(3.4)

あらすじ 

チャーリーは16歳の高校生。入学してすぐスクールカーストの下位に位置づけられ、友達も出来ずに目立たないように学校生活を送る毎日だった。
しかしある日、パトリックとサムの兄妹に出会ったことで180度変わった世界を知っていくこととなる...
 

ストーリーとネタバレ

高校に入っても友達を作ることも出来ずにひっそり過ごしていたチャーリーは小説家志望。日記を架空の"トモダチ"宛てと見立てて書き綴る日々を送っていた。
 
ある日フットボールの試合を見に行った場で、同じ講義をとっているパトリックと妹のサムと出会う。パトリックはとにかく人が良くて気遣いを感じさせない紳士。サムとは両親の再婚で義兄妹となっている。
次第に共に過ごす時間が増えていき、サムはチャーリーに友達がいないことに気づく。彼は唯一の親友を自殺でなくしていたのだ。
 
チャーリーには幼い頃のクリスマスの日に、可愛がってくれていたヘレン伯母さんがプレゼントを買いに行った際に事故に遭った記憶が深く根ざしていて、友達が出来る前は時折幻覚にも悩まされていた。
 
ずっとサムのことを想いながらも、流されるままにメアリーとの交際を始めるたものだから、粗が出はじめる。王様ゲームを楽しむ中、「この場で一番可愛い子にキスをする!」とのお題に、隣に彼女がいながらサムにキスをしてしまうのだ。それをキッカケに、一時は皆と疎遠となるがパトリックがゲイであることをバラされて、リンチされているところをチャーリーが助けに入ったことで再び皆と過ごす時間を共有するようになる。
 
サムや仲間たちの卒業、大学進学で離れ離れになる日が近づいてくる中、残りの学生生活を共に過ごせない不安からまた幻覚を見るようになる。そしてある日、いい思い出だと思っていたヘレン伯母さんとの日々で、性的虐待を受けていたことを思い出し、自らを傷つけようとし、精神病院へと入ることとなる。
数ヶ月の入院となったが家族とも向き合うことができ、夏休みにはパトリックとサムが訪ねてきてくれ、3人で夜のトンネルのドライブに出かける。内気で壁の花であった頃とはもう違う清々しさを胸に、また1つ大人になってゆく。
 

感想とか文句とか

青春を過ごす高校生の1年に焦点をあてていながらも、同性愛、性的虐待、スクールカーストなど現代に蔓延る様々な問題にもスポットを当てながら大人になっていく様を映しているのがとても良い。
 
幼馴染のメンバーの輪に入って遊ぶようになって暫くは、帰り際に「また遊べるよね」「次はいつかな」と聞く癖は変わらずなのがチャーリーの性格を顕著に表している。友達が出来て今までとの生活が変わったからといって、人間性までもがそう簡単に変わるものではない。始めはただ影響を受けているだけなのだ。
劇中でも、サムたちと過ごすようになり明るく前向きにはなるがトラブルに直面すると自分で考えることが出来ない。
 
そして兄妹の息ぴったりのダンスシーンはとっても可愛くてニヤニヤしてしまう。ショートカットの可愛いエマと美しすぎるエズラ兄さんの画面がひたすら豪華。
 
17歳になったあの日のこと、ウォールフラワーと共に思い出す日があってもいい。