映画「ブレードランナー2049」ネタバレ - 人とレプリカントの在り方の境界を探る

ついに30年の時を経て続編の公開となったSF映画の金字塔ブレードランナー!!
主演は前作でデッカードを演じ、続投のハリソン・フォード(来日ありがとう!)、ドライヴやララランドで更に名を世に知らしめたライアン・ゴズリング!
リドリー・スコットの描いた世界をどう引き継ぎ、生かし新しく生まれ変わったのか。人間との違いとは、記憶の意義を目撃せよ(*`・ω・´)
 
前作のおさらいとネタバレはコチラ↓↓
(30年前とはいえ前作の設定や世界観、通称呼びが頻出しますので前作を観てから行くことを強くオススメします!!)
 
 
ブレードランナー2049

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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス/ロビン・ライト/デビッド・バウティスタ 他
 
★★★☆☆(3.7)
 

あらすじと前知識

 
ブレードランナーとしてLAPDで働くK(ライアン・ゴズリング)は、解任対象である旧型のレプリカントを追っては解任の仕事をしていた。その仕事の最中にあるレプリカントの衝撃の事実を知ってしまう。解明と捜索に向かうK、それに伴う自らの出生の秘密、新型のレプリカントの開発を進めるウォレスの企む狙いとは ―

ストーリーとネタバレ

 
人間そっくりの人造人間「レプリカント」を製造していたタイレル社はネクサス8型の開発を進め、ネックであった寿命制限もなくなり、人間との識別を図るため右目にデータの内蔵された眼球を移植されていた。
しかし2022年に西海岸の大停電があり、全てのデータを失った上、世論に原因はレプリカントの反乱と非難を受けタイレル社は倒産し、レプリカントは禁止をされ始めた。
その後レプリカントの完全従属を可能にしたネクサス9型を開発したアンダー・ウォレスは再びレプリカントを世に広め、ある計画を立てていた。
 
ネクサス8型以前の解任を務めていたKは、サッパー・モートンと激闘の末、サッパーは「お前ら新型は"奇跡"を見たことがないから分からない」と言い残し、亡くなった。
サッパーの身の回りに隠されていた白骨や子供用の靴下が見つかり、その身はレプリカントが子を産んだことを示していた。Kの上司にあたるマダムは、人間とレプリカントの境を揺るがすその子供を見つけ出すこと、この事実を抹消すべることをKに任命する。
またそれに示された「6.10.21」はKの記憶(本人は移植された記憶であると意識)にある幼少期のいじめられた記憶での木馬の裏に刻まれた数字と同じであることに気づく。
 
あるレプリカントの子供の育成・労働工場にて、現状を知るとともに、 記憶の中でいじめの末に隠した木馬が全く同じ場所にあることに気付き、探されている「特別な子供」が自らではないかとの疑惑を持ち始める。
Kはレプリカントが精神的に安定するための仮想記憶を植え付ける仕事をしているアナ博士を訪ね、自らの記憶の出どころを知ろうとする。しかし鑑定の結果、Kの記憶は「本物であり、誰かの記憶である」ということが判明し、Kはその結果に戸惑いを見せる。
またKは機密捜査中に勝手な行動をしたとして、LAPDの休職を言い渡される。
 
恋人としても共に過ごすジョイとの触れ合いのため、ジョイはあるバーでKが知り合ったマリエッティの肉体と同期し、Kと繋がりを持つ。が帰り際にマリエッティはKのコートにある発振器を仕掛けるのだった。
 
放射能地帯となったラスベガスに赴いたKはデッカードを訪ねた。はじめは聞く耳を持たなかったデッカードであるが、話を聞く中でレイチェルとその子供のことについて話し始める。一度も会うことは叶わなかったが、娘を守るための計画として30年間秘密を守り、ひっそりと暮らしていたのだ。
Kに移植されていたのはデッカードの娘の記憶であり、彼は囮とされていた。またDNA検査でレイチェルは男女の双子を産んでおり、女児は病死、男児は行方不明との記載であったがそれすらも悪手を切り抜けるための捏造情報であった。本当は娘がただ1人いるだけだった。
 
そこに着けてきたラヴがデッカードをオフワールドへ連れ出し、子供の詳細を知るべく彼を拉致してゆく。激闘の末、Kを救いに来たのはマリエッティ。彼女はフレイザ率いるレプリカントの反乱軍の1人だったのだ。
 
フレイザの元へ連れられたKは、彼女達がレプリカントが奴隷以上の存在を知らしめるべく特別な子供を探していること、反乱者による軍隊の編成をもくろんでいることを目指していた。
 
ウォレスの元へ拉致されたデッカードは彼によるレイチェルの再現を目の当たりにするも、偽物であることを見抜き、Kも嵐を抜けデッカードを救いに現れる。
ラヴとの死闘に勝利したKはデッカードをステリン研究所へと連れてゆく。彼の本当の娘であるアナ博士と会わせるために...
 

感想とか文句とか

 
公開前ふざけて「ブレードライアン♪」とか言っていたんですけどまさにその通りでした。
 
前作は「レプリカントが感情を持ち、人間との境も曖昧になること」という心理面について言及されていました。変わって今作では、レプリカントが感情を持つことは当たり前で、「レプリカントが生殖機能を持つこと」と技術の発展に伴い境界のあやふやになってきた「人間とレプリカントの違いとは」という大きなテーマも掲げられていますねー。
 
今回のレイチェル妊娠事実の発覚を受けて、正直レプリカントとは??という沼に更にハマってしまった。処女懐妊的なキリストを思わすあれこれもあるとかないとか...?な、なるほど...?
 
160分超えの長尺と聞いてはいたけれど、やはりちょっと長いなぁとは。悪くはないんだけれど、前置きに2時間くらい使ってるかなぁというのと全体の雰囲気が重くゆっくり映すシーンが多いので尚そう感じる。
あとしっかり前説を描いたわりに、デッカードが出てきてから(というか登場がラスト40分とか)がドタバタと片付けられてしまったし。
ラストのKvsラヴの戦闘シーンの水攻め()も、ヒヤヒヤする後ろで、手錠とシートベルトで自由を失っているデッカードが溺れかけてて。そのハリソン(デッカード)が本当にアップアップしてるのが可愛くてそれが気になって仕方なかった。(笑)
 
しかもラヴちゃんはKとの激闘の末、溺死するんですね。アンドロイドとは...?人間だけれど体は丈夫なのに(Kがコンクリ壁にガンガン打ち付けられたり、壁をぶち抜いて走る描写がある)臓器は人間同様だと言うのか...?やっぱりレプリカントの設定がいまいち解せぬ...。
そして今回はスパッと話まとまってほしいと前作のブログでも書いて締めたけど、不確定要素が多いまま終わってしまったのが残念なような次作に期待なような。(次作あるのかとハリソンまだ出来るのかという不安)
 
映画全体として説明不足というか語りすぎない構成のため、Kの過去とか事実の詳細についても諸説飛んでいるようだけれど、その議論すらも楽しいのでアリかな。前作みたいにあれもこれもと色んなバージョンを作られる方がしんどい...
 
それから個人的にはライアンはやっぱりこういう役柄が合うなぁと改めて思った!ララランドも好きだしよかったけれど、今作とかドライブ、プレイスビヨンド、ブルーバレンタインみたいな多くを語らないが芯に大きなものを抱えたキャラクターを表情で魅せるのが相変わらず上手い。これぞライアン!!
あとジョイちゃん(本当にハイパー可愛かったし超絶いい子であんなに可愛い子ならわたしも買いたい...)は名の通りというか元はダッチワイフとしてという面もあるようで、ライアンの過去作「ラースと、その彼女」を思い出しライアン再びィ!と思った(笑)