映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」ネタバレ - 次の惑星直列は23年後?

「マイティ・ソー/バトルロイヤル(原題:ラグナロク)」に向けてのおさらい第二弾。
1作目のあらすじとネタバレ振り返りはコチラ↓
時間軸としては「マイティ・ソー」→「アベンジャーズ」→「マイティ・ソー/ダークワールド」の順番なので、アベンジャーズでのNY大戦についてもちょこちょこ示唆されます。アベンジャーズにおけるソーの立ち位置びついても把握できるので、こちらも抑えておきましょう!
 
マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)

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監督:アラン・テイラー
出演:クリス・へムズワース/トム・ヒドルストン/ナタリー・ポートマン/アンソニー・ホプキンス/クリス・エヴァンス(カメオ出演) 他
 
★★★★☆(3.5)
 

あらすじ

オーディンが王になるよりも遥か昔、彼の父ボーの時代にダークエルフ(闇の軍団)との戦いの後、マレキスが9つの世界が1列になったときだけ力を解放できる、無限の破壊力を持った「エーテル」(液状で形を変える)を手に入れる直前に奪い、地中深くに埋めたのだった。
アスガルドでは、ビフレストの破壊以降、混乱した9つの国を抑えるためソーは各国を回り、奮闘していた。そして前作での裏切りに続き、NYへのチタウリ侵略の手綱を引いた罪に問われ、ロキはアスガルドで牢に捕えられていた。その頃世界では惑星直列が起きようとしており、その狭間にジェーンは巻き込まれてしまう…
 

ストーリーとネタバレ

王としての器が備わってきたソーと裏腹にロキは王座を狙い行く先々で戦争を起こすことから、オーディンはロキを激しく非難していた。
そんな折に、地球ではジェーン、ダーシー、その助手のイアンと異常な波長を捉え、現地へ調査へ向かう。そこには重力を無視する一定の空間が生まれ、ある空間をめがけて投げたものが全く別の位置から戻ってきたり、全く戻ってこなかったりする現象が生じていた。調査を進める中でジェーンは異空間に吸い込まれてしまい、そこに埋められていた「エーテル」がジェーン宿り、彼女に触れようとするものを遠ざけようとする力が働いていた。
ちょうどジェーンが時空の隙間に取り込まれた瞬間を察知したヘイムダルの言葉でソーはすぐさま駆け付けるが、様子のおかしいジェーンをアスガルドに連れ帰り調べさせていた。(ここでご両親と対面!)
エーテルがジェーンに宿り、再び力を得たことを察したマレキスは力を取り戻すため、アスガルドへの奇襲を仕掛ける。圧倒的な戦力と戦艦の数、ステルス機での侵入によりアスガルドは圧倒的劣勢になった上、アスガルドの王妃フリッガを亡くしてしまう。オーディンやソーはもちろんのこと、ロキも計り知れない怒りと虚しさを隠せずにいた。
 
 
いずれエーテルを取り戻すためにジェーンの元へ来ることは確実だが今国を攻められたら崩壊するのは目に見えていた。ソーはダークワールドに自ら赴き、マレキスがジェーンからエーテルを取り出した瞬間を狙ってエーテルを破壊すると提案したが、失敗すれば大変なことになるとオーディンは反対する。
それでも国を守るため、ソーは仲間、ヘイムダル、ロキまでも巻き込んでの"反逆"を決意する。ヘイムダルにオーディンたちをひきつけさせる間に、ビフレスト以外の国外への抜け道を唯一知っているロキを連れてダークワールドへ向かうこととなる。
しかしダークワールドについてすぐ、マレキスに迎えられたソー、ロキ、ジェーンの3人だったが突如としてロキがソーを裏切り手首を切り落としジェーンをマレキスに差しだしたのだ。マレキスの仲間はロキを牢で見かけていた(秘密の抜け道も教えてくれた)ため、彼の言葉ならと信用し、エーテルを自らに取り込もうとする。その瞬間、ソーはロキに合図をし、ムジョルニアでエーテルを破壊する。ソーの腕を切り落としたのはロキの魔術で見せたものだったのだ。そして怒り狂ったマレキスと戦う中でロキが命を落としてしまう。アスガルドでは衛兵がソーたちの姿はなく、1つの遺体だけが帰ってきたことをオーディンに伝えていた。
 
その後惑星直列の影響で時空のゆがみが生じ始めていることに気づいたジェーンとソーは、マレキスの破壊行動を止めるために時空のゆがみを利用し、マレキスを倒すことに成功する。
ソーとジェーンは再び離れ離れの身となり、ソーはオーディンから王位を勧められるが、ソーは自らは向いていない。自分の守るべきものを守れる立場にいたい、と城をあとにする。ソーに感謝するオーディンだったが、そのオーディンこそロキが化けた姿だったのだ。
 

感想とか文句とか

 
もう出だしでオーディン父ちゃんがひどいんですよ。「王座を得ることは私の権利だ!」と主張するロキに対して「お前の権利は氷の荒野で死ぬことだった!私が育てていなければここにはいられぬ!」と言うけれど正直それは禁句でしょと。前作であんなに息子の心をズタボロにして、ロキは確かに出来た息子ではないだろうけれど親として子供の存在意義を問う発言は感心できんぞ!というロキ(ひいてはトムヒ)過激派は置いておきまして。
ただダークワールドに赴き、マレキスにジェーンを差し出す場面で「ヨトゥンヘイムのロキだ」と名乗るところで何とも言えない切なさと言うか彼の孤独と言うか、それを感じた。(マレキスを油断させ信じさせるという面もあったとはいえ)
 
NY大戦をみんなが知っているからこそ、ジェーンは初対面でひっぱたくしロキが死んだことを聞いたエリック(アベンジャーズではロキに洗脳され利用される)は「そりゃよかった!」と言われてしまう立場で。「義弟だ」なんて言いながらもやはりソーにとってロキはたった一人の兄弟で、最後にはやはり守ってあげたい存在なのだということがずっと揺るぎないのがまたいい。
 
ロキ死亡ののち、オーディンに「誰もいないが遺体だけが帰ってきた」と報告に来た衛兵。少し考えたのちにオーディンは「ロキか」というわけだけれど、あそこは「(その遺体は)ロキか」という風でもあるけれど「(お前は)ロキか」の方が有力かと。その時点で見破られたが何らかの行動に出たロキは王座を乗っ取り、オーディンに扮してソーを迎えたというわけです。あなどるなかれロキちゃん。
 
ソーはアベンジャーズの中だと個人的にはキャップの次に大すきなキャラクターであり、アベンジャーズにおけるソーとチームでの戦い方も非常に好きなのだけれど、どうにも単独策のシリーズは何か物足りなさが残る。アスガルドの国はとても美しいし、それぞれのキャラクター付けも悪くはないのだけれど、地球(ジェーン含む)との関わりとバランスが中途半端に見える。いっそ地球はキャップやトニーに任せて、ガーディアンズのようにそっちに集中してくれてもよかったなぁ。インフィニティウォーの伏線やらも見越してとはいえ、結局ソー3では(というか今作以降)ジェーンの出演もないとなると尚更。(シフちゃんと結婚して!)
そして通常メインであるはずの主要ヴィランとの戦闘シーンがいまいち中途半端になりがちかなと。今回はおもしろく描かれていたし、ある種のインセプション風まであったけれど、純粋な強さが欲しい。
あとアスガルド脱出のときの船の操舵が下手なソーが可愛いしロキの突っ込みがいちいち可愛い。     
 
そういえばエンドロールの最後の最後のシーン。エーテルの欠片を預けた「コレクター」さん、こちら「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の本編にも出てくるアレなコレクション癖のあるヤバイ人なのでそちらでもご確認ください。(今後のアベンジャーズシリーズのインフィニティストーンについても深く関わってくるであろう人物です)