映画「モリーズ・ゲーム」ネタバレ感想 - ゴールを決めたらその自分が英雄

 
こんばんは桜江です♢♡♤♧
病み上がりの肩慣らしにジェシカ・チャステインの最新作、「モリーズゲーム」を鑑賞してきました。皆さまも体調にはお気を付けて...(映画館にはマスクをつけて行きましょう!)
 
モリーズ・ゲーム(2018)
 

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監督:アーロン・ソーキン
出演:ジェシカ・チャステイン(モリー・ブルーム)/ケヴィン・コスナー(モリーの父)/イドリス・エルバ(担当弁護士)/マイケル・セラ(プレイヤーX) 他
 
おすすめ度
★★★★★★★☆☆☆
・ハラハラするギャンブルが好き!
・才能だけでのし上がった女性の実話が気になる
・頭脳戦の駆け引きを観るのが好き
 
こんな方におすすめです\(^o^)/
 

あらすじと前知識

実在するモリーブルームの真実の話。幼い頃から競技スキーで五輪を目標にしていたモリーは、ある不運な事故でスキーの道を諦めることとなる。
その後、仕事の繋がりの中でポーカーゲームのアシスタントを任されることとなる。そこで学んだことをキッカケに自らのクラブをオープンするまでに至った彼女の守ったルールとは。数年経ってからFBIに逮捕されても彼女が大事にしたものとは何だったのか──
 

ストーリーとネタバレ(未見の方は注意)

モーグルの選手として幼少期から五輪を目指してきたモリーは、厳しい父の指導の元育てられた。しかし2002年のソルトレークでの冬季戦、思わぬ事故で五輪への道は絶たれ、弁護士の道を目指しながらアルバイトを続ける大学生の日々となる。
 
休暇をロサンゼルスでゆっくり過ごそうと引っ越したモリーは、ディーンの元で事務の仕事をするようになる。表向きの仕事は上手くいかずとも大口叩きの彼の元で勤めるうち、アンダーグラウンドでのポーカーゲームを手伝うよう誘われる。そこには映画俳優や監督、スポーツ選手に有名実業家が集まった。この仕事のチップだけでも大金になると気づいたモリーは、常連たちの癖や動き、ゲームのルールや流れを学ぶことを第一にした。中でも有名俳優のプレイヤーXはかなりの強手で、彼とのゲーム目的で来るものも後を絶たなかった。
モリーがこのゲームの会場でも大きな存在感を放ち始め、高額なチップに文句をつけたディーンは解雇を言い渡すが、モリーはそれを利用して自らのゲームルームをオープンする。
 
美しい衣服に身をまとい、高級な部屋、ボード、お酒に食べ物を用意しながらも客との関係は一線を維持し、男女の関係を持つことはありえなかった。プレイヤーXは更なる刺激的なゲームを求めるようになり、ハラルドを誘い込むが見事にカモにされてしまう。また慎重で且つ勝ちゲームを必ず取りにいくハーランは、ひょんなことから負けくじを引き続けることとなった。借金を重ねる彼をよそ目に、Xは彼に数年間お金を貸し付けてきた事実を語る。マナーいはんであり認めないとのモリーの態度に激昂したXは、常連を連れ、モリーのクラブを去るのだった。
 
大物を集めてのゲームではなく1から立ち上げを始めたモリーのクラブはNYで瞬く間に噂となった。モリーは仕事のため、自身のために多量のクスリに頼り始める。法律内で運営することを守ってきたモリーは、ゲームにおいて手数料をとることだけはしなかった。しかしそれもクラブ存続と、安定した生活を手に入れるために破られてしまう。
 
それから数年が経ち、突如としてモリーは違法賭博運営の罪で逮捕されることとなる。詳細な人物名を新しく挙げなかったことや、違法性から数々の弁護士に弁護を断られ続けた。やっと受けてくれた弁護士も始めはまともに取り合おうとしないが、徐々に彼女の弁護に尽力し始める。
しかし譲歩の道を提示されながらも、モリーは関わった人物とその家族のことまで考え、ルールを破らない決断をする。裁判直前、モリーの元に父が現れ、それまでの確執が綻んでゆく。
腹を決めたモリーは自らが有罪であることを裁判で証言する。そんなモリーに言い渡された判決は、200時間の社会奉仕と1年の保護観察処分だった。投獄をする必要はないと国が判断した瞬間だった。
 

モリーを取り巻く父娘の在り方

 
モリーと父、弁護士と娘、父娘の繋がりというものを深く描いてくれる面が強くもありました。(父娘暮らしが長かった私はグッと胸に来るシーンもチラホラ...)
 

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モリーは「男性としての父の一面」をも、若くして気づいていたと明かされますが、その頃から男性に対する不安や恐れ、やがて変わる支配の感情があったと。誰よりも人生の先輩であり、手本であり、道しるべとなってくれる父という存在の影響力は人生を左右するほどであるな、と。モリーの父親は、子供たちを五輪選手にするべく厳しい練習を課し続けたわけだけれど、求めたのはスポーツだけではない多角的な知識であることもポイントの1つ。良くも悪くも可能性を広く持つに越したことはない、と、それこそ「アイトーニャ」の終盤を観ながらも思ったものです。
 
そしてだからこそ、映画ラストで見せる幼少期のスキー練習シーンで諦めずに立ち上がり、何度も練習に戻る姿にも繋がるし、それが今の彼女にも反映されていることを映画全体から感じられて好きです。
 

一線と誇りだけは譲らなかった芯の強さ

劇中のセリフでも、実際にもモリーが何度も言われたという「当たりくじを持っているにも関わらず、断固としてそれを使わなかった」というモリーの対応。
誰かを売ることで残りの人生が楽になる道も明らかであるのに、絶対にそれだけは手を染めなかった理由が「自分自身を守るため」「私がモリーブルームであり続けるため」というのが本当に良かったです。自分が堕ちたとしても、自分の撒いた種は自らで回収する。その飛び火だけは絶対にさせない。誰しもが出来ることではない。(と、ここ数日世間を騒がせている某会見の模様を見ながら思い返す...)
 
そしてラストまで貫いた彼女の芯を感じながら、根底にあるものはジェシカが「女神の見えざる手」でも演じた強さと共通するな、と。(ネタバレになるのであまり言及しませんが)
どんなに崖っぷちに追いやられても、最後に肝の部分を担うポイントだけは間違えないという痺れる女性像。本当に大事なものだけは必ず守るという姿勢。
それはもちろん、幼い頃から厳しく育てながらも愛情と、赦しをもって接した父の存在が非常に大きく。人間の性格や脳の基礎は幼いうちに形成されるとはよく言うけれど、やはり染み付くベースが桁違いなのだろうなぁ。
 
 

ジェシカ・チャステインが今キている!!

ジェシカと言えば、昨年秋の「女神の見えざる手」を鑑賞した際に、脚本の綿密さとジェシカの演技力の高さに度肝を抜かれてから要チェックしていたのですが。(ブログにも感想アップしたと思っていたけれど、書き途中のままだったので近々でまた観直して上げたい所存。。)
今回もジェシカにぴったりの、頭のキレるセリフの多い役でした。女神の~は、「アトミックブロンド」「ドリーム」と並んで、個人的に2017秋・女性が輝く、憧れる!映画ベスト3!に入るほどお気に入りの作品。最近では「アイ・トーニャ」も、実話を元にしている&厳しい親に育てられた&競技スポーツを行っていたという点では似通っているとも言えますね。ラストに向けての変化や、後日談をもってしてもベースは近くも親の愛情の注ぎ方や付き合い方でこうも変わるのだな、という風にも感じました。(まぁあちらは登場人物総出で過激派なので...笑)
 
話が逸れましたが、女神の~以前にも、「ヘルプ(2011)」や「インターステラー(2014)」、「オデッセイ(2015)」等で着々と名を知らしめてくれていますし、今後の活躍にもぜひぜひ期待したいところです!!
 
実話&競技スポーツ&厳しい親の元で育てられたトーニャのお話はこちら

 

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モリーはアメリカと戦ったわけですが、こちらも政府と戦った実話

 

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