【 追記】映画「グレイテスト・ショーマン」ネタバレ感想 - 勇気がある、傷もある、これが私!

ララランドの製作スタッフ×「レミゼラブル」での美声を響かせたヒューが主演のグレイテスト・ショーマン!1980年代の現代のショーの先駆けとなる観客をも巻き込み魅せるショービジネスを始めたP.T.バーナムの史実を元にされた作品。

圧倒的迫力と美声は映画館で酔いしれるべき傑作!

 

グレイテスト・ショーマン(原題:GREATEST SHOWMAN)

2017/02/16 日本公開

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監督:マイケル・グレイシー

出演:ヒュー・ジャックマン/ザック・エフロン/ミシェル・ウィリアムズ/レベッカ・ファガーソン/ゼンデイヤ/キアラ・セトル 他

 

おすすめ度

★★★★★★★★☆☆

 

おおまかなあらすじ

 

貧乏な仕立て屋の息子として生まれたバーナムは過程は貧しいながらも周りを笑顔にすることを楽しむユーモアのある少年だった。父の手伝いに出入りする屋敷で美しいチャリティと出会い、恋に落ちる。身分の違いから離れ離れになるも互いの気持ちを手紙にしたため合い、鉄道での仕事を得たバーナムはチャリティを妻として迎え入れる。

 

しかし会社の倒産から職なしとなったバーナムは騙し担保を基として「バーナムのアメリカ博物館」を始める。だが上手くはいかず、ある晩、娘たちの「生きている奇抜なものを置かなきゃ」「マーメイドとか」「ユニコーンもみたい」という言葉をキッカケに、町のユニークな人物を集め始める。

集まったのは「ヒゲの生えた美声の女性」「空中ブランコを得意とする兄妹」「背の低い"親指トム将軍"」「全身入れ墨男」を始めとする変わり者たち。彼らを引き連れ、バーナムは誰も観たことのない「ショー」を始める。

 

 

斬新なショービジネスと個性のぶつかり合いが生んだ「家族」の形

 

 映画は始めの15分が大事だとは言うけれど、開幕早々のヒューの囁きバックシルエットで瞬く間に引き込まれた。CMや予告動画でもおなじみのあのシーンが早速きたかー!と高まり、会場と一体となり身体が自然に揺れる体験は何度でも味わいたい。

 

また「家族と友情」の「愛」と「男女の愛」のバランスが非常に良かった。ロマンスもの以外で本筋を大きく反らす恋愛模様を組み込まれることがどうも苦手なのだけれど(ひねくれものゆえ) 

まず恋愛要素に噛むのがフィリップでよかった。ジェニーがバーナムに惚れているのは言わずもがな、バーナム側は本当にビジネスの成功への鍵としてだけなのか、その歌から心までも奪われているのか若干曖昧に思えるシーンもあったので。あそこでキスしてたら個人的には興ざめしかねなかったですね…家族への愛だけは変わらず持っていてくれたことは救い。

 

そしてやはり中盤以降のミュージカルシーンが印象に残りやすくはあるのだけれど、序盤のシーンも大すきです。ショタバーナムくんと娘'sの歌声が愛おしさ爆発しそうであった…可愛いが過ぎる…

 

 バーナムがチャリティと夫婦として歩みだすシーンの中で駅にいて、汽車の煙をまといながら舞い踊るところがありましたがあそこ最高に好き。映像もたまらなく綺麗だったし、今言及するかという感じだけれどミシェルが半端じゃなく”綺麗”にメーター振り切ってて震えた。彼女は演技の幅と深みがあるからこそか、難しい役やこんがらがった夫婦や気難しい性格での暗めの映画が多いなという印象だったのだけれど。こんなにも控えた演技も良いとはね…

話しは戻るけれど汽車のシーンに次いで屋上でのシーツの中で踊るのもお気に入り。プレゼントの万華鏡みたいなオルゴール(あれ何て言うんでしょうか)が更に映えていたし、なんとなくムーランルージュを思い出したり。

 

ギャップから繰り出される美声とヒューとザックの掛け合い!

美しいものを美しいと感じ、心に染み入り打たれるほどの感動というのはそう簡単にあるものではないと思うものの、この2時間の間に複数回のそれを経験してしまった。心がしびれてボロボロ涙するほど美しい映画だったと胸を張って言える。

 

一応ミュージカルだからそれはそうだと言われようとも音楽がすごく良くて久々に映画館を出て即パンフレットと一緒にサントラを購入したわね。サントラのおまけかな?ポストカードもいただきました(*'ω'*)

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かくいう今ももちろんサントラをヘビロテしながら書いてます。高まる、高まりすぎる。良いミュージカルに、音楽に出会うとこんなにも生活を一変させ、料理をしていてもお風呂に浸かっていても踊りだしたくなるし無駄にクルクル回りながら移動したくなる感覚!

 

今作の作詞・作曲をしたのがベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビ。彼らも昔ながらの深い付き合いのようで、まさに「ララランド」「セッション」のデイミアン・チャゼル&ジャスティン・ハーウィッツ  コンビを彷彿とさせたし、互いの音楽を分かっている人たちの作る楽曲の素晴らしさを再認識。

ベンジ・ジャスティンは「ララランド」のときに作詞のみ担当していたのだけれど、「City of Stars」の詩をつける人を探していたときに、彼らが出してきたものが抜きんでて良かったとララランドの特典で観た記憶。作曲もこんなによかったとはこれは嬉しい誤算。

 

そんな素晴らしい音楽を歌い上げてくれた最高の俳優たちにも感謝。「レミゼラブル」でも美声を披露していたヒューの歌声は計り知れないセクシーさが溢れているし、ヒューがセクシーならザックはえっちと言うべき色気がありますねぇ。。バーのシーンでのヒューとザックの掛け合いなんてもうたまったもんじゃないですよ!!

バーの店員が続々と提供するお酒とリズミカルに飲み続ける二人のリズムと勢いとダンスは圧巻。十二分に味が出ているベテランのヒューと今が旬ともいえるザックの老若(というには失礼)のテキーラバトルという組み合わせよ。ありがとうマイケル監督。

それにしてもザックはここ数年TSUTAYAの新作準新コーナーで見かけないことがないほどという印象なのだけれど、ラブコメや色男役に寄ってるなぁと思っていて。(かつてのブラッドリーさんを思い出す)なのでここいらあたりで更にジャンル広げて演技派の道を極めてほしいなぁ、なんて。。

 

観終わってTOHOのポスターを見上げ、なるほどね。最高だよ…美しい…と余韻に浸らせていただいた。(ちなみにこれです) 

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ミュージカルとショーの見せ方のいいとこどり!

 

個人的な話にはなりますがわたしは元々ミュージカルというジャンルが苦手で。嫌いではないのだけれど、ダンスやピッチ・パーフェクトのようなテーマがベースになっている場合を除けばどうしても「今まで会話していたのに突然歌いだす」というところで躓きがちというか。

まずその想いを始めて変えられたのが今作の製作チームも関わるララランド。今までわたしが観てきたミュージカルとは一味も二味も違うと感じたし、とにかく音楽と色彩の使い方が素晴らしかった。(とはいえライアン・ゴズリングをかねてから推していたのでその補正もあるかなという自覚はしていた)

 

ララランドが「夢を追うこと」と「男女の愛」をテーマにしているとすれば、今作は「家族のつながり」と「自分自身の在り方」について訴えかけてくるので、全く別のベクトルとして両作品とも名作であると思う。

 

何度映画を観ながら画面内の観客と同じように立ち上がり、手をたたき声援を上げ、「This is the Greatest Show !!!」と叫びたかったことか。応援上映しよう?(ちょっと違う)

 

とはいえその反面、ストーリー自体は王道ミュージカルそのものという感じではある。ショーのために集まったみんなの過去、抱えてきたものは現在の身なりを見ても察せる通りではある。けれどもそんなはぐれ者であった彼らがショーを通して"家族になっていく"過程が欲しかったなとも少々。それがないと、バーナムがジェニーの歌の講演につきっきりになり、皆を見捨てたようになった場面でショー自体から離れてしまうのではないかと思って。ただ誰もその選択をとらなかったのはバーナムが始めてくれたココが"居場所"として機能できたからこそ。

初めての講演でおどおど出てきながらも、いざ始まってスイッチが入ったところで全員息ぴったりダンスキレッキレはかっこいいけれどすでにプロだなwと思いもしたので。(文句を言いながらも5分後には感動して泣いてる)

 それと”成功”だけを追い求めてからのバーナムの変化や闇の部分ももう少し見たかった。そこの緩急がもう少しと思うような、あんまり長くしても違うしどこを削るかというと難しいような。まぁ総じて好きな映画なのでいいんですけど…好き…

 

とりあえずTHIS IS MEは本当に好きすぎてサントラもyoutubeでも繰り返し観ている。振り返り用に今こそどうぞ↓↓

youtu.be

元気と勇気が心の底から湧き上がる素敵なナンバー。そしてやはり好きな俳優の歌がウォークマンで聴けるなんて何て素晴らしい時代なんだ…ありがとうミュージカル、ありがとうグレイテスト・ショーマン。

 

そういえば劇中歌はもちろん俳優たち自身が歌い上げているわけだけれど、ジェニーの歌だけは口パクらしい。演じるのはレベッカだけれど、歌はあるオペラのオーディションで秀でた才能を持っていた女性の歌を宛てたとか。

作品内でバーナムが(なぜ歌の講演をするのかという問いに対して)「私は偽物ばかり見せている。一度くらい本物を見せたい」というシーンがあったけれど、その歌だけが逆に実は本人歌唱じゃなかったとは一種の皮肉だなと思ったり。(というかあまりに上手すぎて女優でなく歌手を起用してるんじゃないかと思って観ていた)(もう覚えたよレベッカごめん)

 

最後にグレイテストショーマンの見どころというかお気に入りのシーンを詰めました。この感動をぜひ分かち合いたい・・・・

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【 追記  20180226】

そして金曜日に取り急ぎ2回目を鑑賞しました。1週間サントラ聴き込んでいたくせに、なのか、ゆえに、なのか好きなシーンが増えてあちこちで涙したし本当に大好きな映画だなと再認識しました。また行く。

子供時代もしっかり観せている分、廃屋敷にチャリティと忍び込んだときに既に「彼女を楽しませること」として明かりを用いて魅せることを始めているんだよなー。

そしてまだまだ人種や家柄の差別も色濃い時代、演劇などの娯楽は富裕層だけのものと考えられていた時代を切り開いた姿は素晴らしい。一度は立ち向かえなかった壁をぶち破っていくザック(フィリップ)の好演も言わずもがな。これだけの要素をしっかり盛り込みながらもミュージカルとしてスムーズにまとまっているのはすごいと思うんですね。ストーリーの深みについては上記で私も語っている通りですし、話が都合よく進みすぎという感想も見かけるけれど、身も蓋もない言い方をすればミュージカルはわりとそういうものじゃないかなって思うんですよね。いいじゃない音楽とダンスまで含めての作品なんだもの!難しく捻ることは簡単だけれど、ショーがテーマになっていることもあるし実話がモチーフだし、ご都合主義だとしても素晴らしいことに変わりはないから!

そもそも映画は感性の問題だし、観るタイミングや環境、月日で感想が変わることもあるんだから合わないならそれでいいと思う。その中で好きな作品や考えさせられ、見解を広げられるモノに出会いたいなーと日々映画を観続けているわけで。そういう気持ちをも、今作でのフリークスが抱えてきたものに反映されていると思うし。バーナムが彼らのそのままを認めて受け入れて居場所を作ってくれたからこそ、踏み出せた一歩の勇気をもらえるだけで嬉しいな。

 

ちなみに新宿バルト9で鑑賞したのですが、例の踊り階段で衣装の展示してました!アンちゃんなんてちゃんと天井から吊るされていて、力のこもりように胸が熱くなった...!!ありがとうバルト9!!!!!

 

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新宿が近い方はぜひこの展示だけでも観に行かれてほしい!!これを観たら鑑賞しない手はないですし...ついでにバルト9は平日夕方は安くなるので再鑑賞にもオススメですよ(バルト9の回し者ではない)

 

念願の応援上映にも行ってきました!!そう、バルト9で!!(笑)

 

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